釣りブーム
釣りを始めたのは中学の時だった。学年全体で釣りがなぜかブームになり、釣り雑誌や釣り具のカタログを放課中に授業中にまわし読みなどしていた。そろそろ、フィッシング(釣り)という小じゃれた表現がカタログに見え、釣り具のことをフィッシングタックルと表現したり、ルアーフィッシングで使う洋式の釣り具が街角の釣り具屋でも見かけることができる時代だった。
TVゲーム以前の釣り(フィッシング)は少年たちにとって、そろそろ女らしくなってきた同級生よりもずっとわくわくする存在だった。
はじめての釣り場へ
初めての釣りは、結局夏休みも終わった9月、最初の日曜だった。釣り具を自転車の荷台に乗せ、乗らない釣り具はデイパックに詰め込んで重積載の自転車をこぐ。釣り場までは20kmくらい、あたりはまだ薄暗い中、6〜7台の塊になって釣り場へ向かう。じきに先頭集団がスピードを上げ、いち早く釣り場を目指す中、釣りにも重積載の自転車にも不慣れな私は遅れだしたが、学年でも(1学年270人の大編成デス)1〜2を争う俊足長身の同級生が付き添うのみとなる。すでにあたりが明るくなる中、岸壁沿いを走っていることに気づき、釣り場が近い!とペダルを踏む足にも力が入った。
釣り場にて、フィッシング!
釣り場へつくと、皆すでに竿を出しており、中にははやばやと小魚を釣り上げている者もいる。新品の釣り具をおくればせながら組み立てて、初めて、釣り場での第一投。初めての釣りの一日が始まった。
身の程しらずにスペックだけで選んだ釣り具は遠投用の投げ竿で、横から「物干し竿!」とか「竿に釣られてるじゃん」と笑われた。私の初めての釣りはこんな具合。釣りに限らずだれでも「最初」はあるものだが、魚釣りは自分の「はじめて」では一番鮮明に憶えている事柄のひとつなのだ。結局、魚に釣り上げられたのは自分の方だったのかも?